相続人が多くて話がまとまらない場合
遺産を相続するためには、まず戸籍の取得・収集によって法定相続人が誰になるかを調査したうえで、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
遺産を分割して、預金の引き出しや不動産の名義変更をするためには、下記の手順で手続きを進める必要があります。
① 遺産の分割内容について相続人全員の同意が必要です。
相続人が増えれば増えるほど、どのように遺産分割の話し合いをするのがよいのか、ということを話し合うだけでも大変多くの時間を必要です。
皆様それぞれに様々な事情の中で生活をされているので、利害が食い違うのは当然のことです。
それでも、相続人全員の同意をもって金融機関に出向かなければ、遺言書でもないと金融機関は一切対応してくれません。
② 相続人全員の遺産分割協議書への実印の押印が必要です。
全員が遺産分割の内容について同意したとしても、その事実だけでは金融機関も法務局も対応してくれません。
それらの手続きをするために、遺産分割協議に相続人全員が同意したことを証明しなければならないのです。
その証明となるのが遺産分割協議書で、遺産の分割内容について全員の実印の押印と印鑑証明が必要です。
相続人が多く、しかも遠方にお住まいの相続人がいるような場合は、実印の押印のための書類のやり取りや確認だけでも相当な時間を必要となります。